トマトの栄養と効果

< 近年のトマト人気 >

近年のトマトの人気

トマトは、南アメリカのアンデス山脈高原が原産の野菜です。
もちろん日本においては一般的な野菜で、
春夏秋冬あらゆる食卓に顔を出す人気の食材です。

近年、トマトの栄養価は非常に高く健康面でいろんな効果が得られるという話をよく耳にするようになりました。
ニュースではもちろん、女性誌、健康を題材にしたテレビ番組などでも引っ張りだこです。
日テレの 『世界一受けたい授業』 では、『この病気に効果がある食材は何でしょう?』 という問題が出ると
必ず有田さんが 『この番組じゃトマトって言っておきゃ大体当たる』 と答えるのがネタになっているぐらい(笑)
それだけトマトに万能的な効果があるということでしょう。


< トマトに期待できる効果 >

1. 美肌効果・日焼け対策

トマトのリコピンが美肌をもたらす

肌にハリや潤いがほしい、シワやシミを減らしたい、というのは誰もが思っていること。
特に肌というのは年齢が出やすい部分で、シワやシミが多いと老けて見られてしまいがちです。
トマトには肌の老化を防ぎ、若々しい美肌を保つ効果があると期待されます。

まずは肌のトラブルのメカニズムを説明します。
そこには活性酸素の存在が大きく関わってきます。
メカニズムは以下のとおり。

活性酸素が肌を老化させるイメージ図

 1. 紫外線やストレスなどを受けたとき、私達の体の中では細胞を守るために活性酸素が生成される。

 2. 増えすぎた活性酸素は細胞を酸化させコラーゲンを破壊、肌の潤いやハリが失くなってしまう。
   また皮膚に含まれる脂質も酸化してしまい、代謝できない老廃物として皮膚に残ってしまう。

 3. さらに細胞の酸化を防ぐためにメラニンが生成される。

 4. 細胞をかばって代わりに酸化したメラニンが黒く変色し、代謝し切れなかった部分がシミになってしまう。

このように活性酸素は、肌のハリと潤い、シワ、シミなど、
肌のお悩み全般に関わってくる物質なのです。


トマトで活性酸素を抑える

そこでトマトの登場。
トマトに大量に含まれるリコピンには、過剰に増えすぎた活性酸素を無効化する働きがあります。
同様の効果を持つ物質にβカロチン、アスタキサンチン、カプサンチンなどがありますが、
それらの中でも効果が一番高いことがカゴメの実験で証明されています。

また、ニューカッスル大学の皮膚科学教授マーク・バーチ・マチン教授は、
 「21〜47歳までの20人の女性を対象に調査。
  そのうち半数には3ヶ月間、毎日トマトペースト55gとオリーブオイル10gを摂取。
  そして、全員に調査前と後に紫外線を浴びてもらったところ、
  トマトを食べた女性は食べなかった女性よりも平均して33%、日焼けによる赤みが少なかった」

という研究結果を発表しています。
実験で得た数字から算出すると、これは1.3SPFの日焼け止めに相当するそうです。
トマトには日焼け対策としても効果があることがわかります。

またリコピンには、日焼けによってコラーゲンが損傷されてしまうことを抑える働きもあり、
さらに新しいコラーゲンを生成するのを助ける働きも確認されています。
ですのでリコピンを摂取するのは、日焼け前でも日焼け後でも効果的といえるでしょう。
細胞の老化を防いでハリや潤いを守り、シミやシワを減らし、日焼け対策にもなるトマトは、
肌にとって本当に頼もしい味方なのです。






2. ダイエット効果

トマトダイエット

ダイエットに向いている食品といえばトマト。
トマト中玉1個(約150g)のカロリーはおよそ30kcal程度です。
食物繊維が約1g、また水分も多く含まれているため満腹感を得やすいのが、ダイエットにおけるトマトの長所。
また、ビタミン・ミネラルも豊富なのでダイエット中の不足しがちな栄養もカバーできます。
さらに整腸作用もあるので便通もよくなります。
そして、2012年にはトマトの中に「13-oxo-ODA」という新たな物質が発見され、脂肪燃焼を助ける働きが確認されました。
未検証ではありますが成長ホルモンの分泌を助けるという情報も耳にします。

一時期 「夜トマトダイエット」 なるものが流行りましたね。
やり方は晩御飯をトマトだけにするという大変シンプルなもので、効果もそれなりに大きかったようですが、
そこまでするとトマト自体のことを嫌いになってしまい、結果的に長く続きません。
毎回の食事に少しずつトマトを取り入れるのが一番です。






3. 疲労物質を抑える効果

トマトで疲労物質の発生を抑える

近年になってトマトには疲労物質を抑える働きがあることがわかりました。
トマトジュースを飲ませたラットを運動させて血液中のデータを採ったところ、
何も飲んでいないラットに比べて疲労物質の割合が30%少なかったそうです。
これはにトマトの活性酸素の働きを抑える効果や、豊富なビタミン・ミネラル・有機酸などが影響していると考えられています。

ただし実験ではトマトジュースで差が出たのは運動前に飲ませた場合のみで、
運動後に飲ませた場合は効果が得られなかったそうです。
なので重労働やスポーツをする場合には、事前にトマトを摂取しておかなければいけませんので注意。

ただしトマトにはクエン酸も入っていますし、血流をよくする効果もあります。
たとえ運動後の摂取であっても多少は疲労回復効果が期待できるかもしれません。






4. 血液をサラサラにする効果

トマトで心筋梗塞や脳梗塞の予防

体内で過剰に作られた活性酸素は脂質を酸化させて、過酸化脂質を作り出します。
これは血管壁に付着して血流を悪化させるため血液がドロドロの粘性になり、動脈硬化の原因になります。
これは心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)の引き金にもなりかねません。

リコピンには活性酸素の働きを抑えることにより過酸化脂質の発生を抑えて、
血液をサラサラにする効果があります。
またトマトに含まれるカリウムは血中塩分濃度の調整をしてくれる役割があるので、
血管への負担を減らすという面でも動脈硬化の予防効果が期待できます。






5. 発毛促進・脱毛防止効果

トマトに発毛促進効果

トマトが美肌に良いことは前述したとおりですが、
これは発毛や育毛、脱毛防止という点でも非常に効果が期待できます。
なぜなら頭皮も同じ 「肌」 であるからです。

頭皮の細胞の酸化を防ぎ、コラーゲンを守りながら新しいコラーゲンの生成を助け、
さらに血流をサラサラにする効果で毛細血管へしっかりと栄養を届かせるようにする。
これらの作用を持つトマトは毛髪にとって大きな手助けになります。
実際にAGA治療について調べると、大抵の場所でトマトを髪に良い食べ物として紹介しています。
ハゲ用の特効薬だ!というわけではないので飲んでいきなりフサフサってわけにはいきませんが、
長い期間続けることで毛量と髪質に差が出てくるでしょう。






6. 風邪やインフルエンザ、ノロウィルスの予防効果

トマトで風邪やインフルエンザやノロウィルスの予防をする

風邪、インフルエンザ、ノロウィルスによる食中毒。
これらは全て原因になるウィルスを、口や鼻から体内に取り込んでしまうことで感染します。
その際に口や鼻の中の粘膜が正常で健康な状態であれば、感染して発症する確率をうんと低く抑えることができます。
トマトにはその粘膜を強くする成分が非常に多く含まれています。

トマト中玉(150g)にはβカロチンが約800μg、ビタミンCが15mg、ほかにクエン酸やリンゴ酸が含まれていますが、
これらは人体の粘膜や皮膚の細胞を正常化させて免疫機能を高める効果があります。






7. 二日酔い防止効果

トマトで二日酔いを予防する

二日酔いの原因はアルコールを分解する際に生まれるアセトアルデヒドが原因です。
リコピンには、このアセトアルデヒドを分解する働きがあります。

リコピンを摂取するタイミングは食前・食中・食後いつでも構いません。
トマトジュースを飲んでから飲み会にいく、
飲み会の席ではトマト料理を注文する、
飲み会から帰宅して就寝する前にはトマトジュースを飲む、
などにをすればアルコールの分解の大きな手助けになるでしょう。
もし翌朝二日酔いになってしまった後でも、摂取すれば回復が早くなることが見込めます。

自分はウコンとトマトを飲み会の前後になるべく摂取するようにしていますが、これについては本当に大きな効果を実感できます。
一度騙されたと思って試してみてください。






8. ストレスを軽減する効果

トマトの中にはストレスを軽減するGABAが多く含まれている

イライラを抑えるとして注目されている物質のひとつにGABA(ギャバ)があります。
GABAは脳に存在する抑制系の神経伝達物質として働き、興奮した神経を落ち着かせストレスを和らげる効果があります。
ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えて、リラックス状態をもたらしてくれます。
最近ではGABAが多く含まれたチョコレートなどが市販されていますね。

このGABAが赤系トマト100gには約20〜30mgも含まれています。
日常の食生活にトマトを取り入れることで、ストレスフリーな生活を送る手助けになるでしょう。

また、トマトにはストレスが原因で増える活性酸素を抑えるリコピンも含まれており、
そのGABAとの相乗効果が期待できます。
さらにストレスから解放されることで快眠できるようになれば、それは体調全般を整えることになります。






9. 便秘解消

トマトによって便通がよくなる

トマトを摂取するとお通じを良くする効果が期待できます。
トマトは、食物繊維は水溶性と不溶性両方を多く備えていますし、
腸の働きを活発にするカリウム、マグネシウム、クエン酸も多く含んでいます。
水分も多く含んでいるため、便秘を解消するにはうってつけの食べ物といえるでしょう。

自分もトマトを日常的に摂取するようにしているため便秘とは完全に無縁ですが、
多く摂取しすぎたときは便の色が赤くなります(笑)
健康面では問題ありませんが、初めて見た時にはビックリしますのでそれだけ先に忠告しておきます(笑)



< トマトを食べるタイミングはいつがいいの? >

トマトをいつのタイミングで食べるのがよいのか

トマトはどのタイミングで摂取するのが一番効果的でしょうか?
就寝時の成長ホルモンの分泌時に効果的に働くように、夜にトマトを摂取すると良いという意見が多くあります。
しかし、日焼けや仕事のストレスで発生する活性酸素を抑える働きを考えると、
朝にトマトを摂取したほうが良いという考え方も納得ができます。
さらにリコピンは一度に多量に摂っても体内に長く留まることはできない点も考慮すると、
朝昼晩と定期的に少量ずつトマトを摂取するのが、一番効果的な摂取方法だと言えるでしょう。



< リコピンの吸収を良くするために >

リコピンはトマトの細胞の中に含まれており、その細胞は細胞壁に囲まれています。
そのせいで普通にトマトを食べても吸収率が落ちてしまいます。

できればトマトは加工したもの、もしくは加熱したものを食べるようにしましょう。
そうすれば細胞壁が壊されていてリコピンの吸収率が高まります。
ミネストローネ、ナポリタン、トマト鍋、チキンライス、お肉のトマト煮、もしくはトマトジュースなどが適しています。

またリコピンは油と一緒に摂取すると吸収率が高くなります。
オリーブオイルを使ったトマト料理などは多くありますが、
リコピンの吸収という面ではベストと言ってもいい摂取方法ですね。

また最近、えごま油が美肌に良いとTVで紹介されて話題になりました。
リコピンの吸収を高める点で相性が良いので、
えごま油を摂取したあとはトマトジュースを飲むと相乗効果が期待できるかもしれません。



< トマトのまとめ >

トマトには様々な効果が期待できることがわかったでしょうか。
美肌、日焼け対策、ダイエット、疲労抑制、血液サラサラ、発毛、免疫向上力、アルコールの分解、ストレス軽減、便秘解消・・・
そして体の細胞全てのアンチエイジング。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」という言葉にも説得力があります。

ただし、あくまでトマトは健康を促進するであろう食べ物のひとつでしかなくて、決して病気の特効薬ではありません。
大量に食べて一朝一夕で疾患が治るわけではありませんし、過剰に食べ過ぎれば逆に健康を損なうことだって考えられます。
規則正しい生活リズム、十分な睡眠、バランスの良い食事や適度な運動を取り入れた上で、
トマトを意識して摂取して健康的な体を目指していきましょうね。









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